その人の名は野田愛実(えみ)さん。三重県松阪市生まれのシンガーソングライターです。彼女は小さい頃からピアノを習い、中1ぐらいから曲を作り始め2015年にはZIP-FMが主催するオーデションでグランプリを取ったことがきっかけで、インディーズデビューを果たしたものの世間の人々が知るまでには至らず活動を続けていました。転機はコロナ禍でした。ライブを行う現場を失い活動休止に追い込まれた人もいれば、ひたすらライブ配信をして窮地を乗り切ろうとする人もいる中で彼女が選んだのはYouTube配信でした。アコースティックギター弾き語りのスタイルで、カバー曲を1日1曲配信していました。薄暗い部屋にプロジェクターを投影し歌い上げるその姿は、大きな反響を呼びました。さらに、2021年10月には日本テレビ系『スッキリ』内の川谷絵音さんが担当するコーナーにて「今、いちばん惚れ込んでいる歌声」として彼女がピックアップされたことにより世間の注目を集めることになりました。現在YouTube登録者は23.5万人以上、総再生回数は6000万回を超え、2023年7月にはavexから念願のメジャーデビューを果たしました。そして彼女の「butterfly effect」という楽曲が「約束~16年目の真実」の主題歌に抜擢されるというまさにバタフライ効果を生み出しました。(6月13日が最終回でした)
実はそんな彼女のメジャーデビュー凱旋無料ワンマンライブにこの前の日曜日大阪へ行ってきました。このライブは抽選で選ばれるというものでしたが、なんと運よく当選したのです。そしてそのライブが行われたのは大阪京橋のBERONICAという馴染みのライブハウスでした。先も見えずみんながもがき苦しんだ時期、彼女は目先の利益を気にせずにただ「自分の声を知って欲しい」という想いで毎日弾き語りで配信を続けました。カバー曲はK-POPから演歌まで多岐にわたりました。彼女のことはインディーズでデビューした時に知っていましたが、その時には私の心に彼女の歌は届きませんでした。私が彼女を改めて知ったのはこのカバー曲でした。前にブログで書いた事のあるNew Jeansのカバー曲でした。
この曲をギターで弾き語りをしているだけでもびっくりしましたが、韓国語も見事にこなし、そのビブラートのかかった歌声と表現力はいつしか異次元のものになっていました。それからSNSで彼女を追い続け今回のワンマンライブにつながっていきました。 毎日1曲の配信、それは蝶が1回羽ばたくようなもの。ほんの小さな動きでもそれを続けていれば世界は変えられるのです。そんなことをかみしめた感動的なワンマンライブでした。
進学塾オネスト鈴鹿校 中根 眞澄